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出雲大社から、大国主の国作り伝説を体感する(前編)

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

このブログは、兵庫県の神社を紹介するブログですが、
そのために、どうしても

ヤサイ
ヤサイ
大国主(オオクニヌシ)という神様に触れなきゃいけない

という思いを秘めておりました。

先日は、

神社参拝に大切なこと(番外編①)兵庫県には日本有数の神社が存在していると私は確信と自負をしておりますが、 その前にまず、このブログの最初には、神社参拝の前に知っておい...

伊勢神宮に参拝することは出来たのですが、
それだけではわからない、神社の成り立ちを感じていたんです。
そのため、先日、とうとう、

ヤサイ
ヤサイ
出雲大社に行って参りました!

島根県出雲市へ、。

マジです。

はじめに

この記事では、皆様に伝えたいことがたくさんあるのですが、
それをすると、どうしても長くなってしまうので、

ヤサイ
ヤサイ
できるだけ、簡単に書くことを目指します!

いつも記事が長くなってしまうのが、僕の悪い癖、。

古事記と、私の参拝を絡めながら、簡単に、省略して、お伝えしていきますね。
ではでは、はじまります!


須佐之男命(スサノオノミコト)編

高天原(天界)を追われた、須佐之男命(スサノオノミコト)は、
出雲の国(島根県)に降りてきました。
そのとき、八つの頭、八つの尾を持つ大蛇、ヤマタノオロチに、
美しいお姫様、クシナダヒメがさらわれる定めになっておりました。
それを聞いたスサノオは、

クシナダヒメとの結婚を条件に、
ヤマタノオロチを退治しました。
そして、出雲の縁結びの神様として、仲睦まじく暮しましたとさ。
終。
※画像は、宿泊した玉造温泉の川沿いに設置されていたオブジェです。

大国主命(オオクニヌシノミコト)編

さて、時は流れまして、スサノオの六世の孫、
6代目の子孫に、大穴牟遅神(オオアナムチノカミ)という青年がおりました。

ヤサイ
ヤサイ
少年漫画の主人公や、RPGの主人公を想像してもらえれば、話としては、わかりやすいでしょうか

そんな彼が、後に大国主命(オオクニヌシノミコト)と成ります。
大国主命、つまり、偉大な国を治める王という意味が込められた名前ですね。
そして、

ヤサイ
ヤサイ
国宝、出雲大社の御祭神でも、あらせられます

そして、大国主命(オオクニヌシノミコト)は、波瀾万丈で、多くの困難を乗り越えたことから、
多くの名前を持ちます。

ヤサイ
ヤサイ
それだけ、偉大な神様なんですね

きっと皆様のご近所の神社に、大国主命が別の名前で祭られているはずですよ。

ただ、混乱するので、この記事では、名前はオオクニヌシで統一したいと思います。

八十神(やそがみ)

さて、話を戻しまして、そんなオオクニヌシには、多くの兄弟の神様がおりました。
それを多くの神という意味で、八十神(やそがみ)と言います。

ヤサイ
ヤサイ
この八十神が、物語の悪役であります

スサノオの時代から、多くの神様がいるくらい、出雲の地は発展していたのでしょうね。

そんな八十神達ですが、因幡国(鳥取県)に用事があって出かけておりました。
その八十神達に対して、オオクニヌシは若かったので、従者(荷物持ち)として同行しておりました。
つまり、立場的には、

ヤサイ
ヤサイ
八十神達の中で、1番格下であったのが、オオクニヌシというわけですね
ヤサイ
ヤサイ
画像は、出雲大社内にある、御慈愛の御神像のオオクニヌシです。大きな袋を担いでいるのは、八十神達の荷物でしょうか

この像(オオクニヌシ)を見て感じるのは、凜々しい若者というより、普通の見た目のように見えますね。
ここから、オオクニヌシの波瀾万丈の人生が始まります。

八上比売(ヤガミヒメ)

八十神達が、因幡国(鳥取県)に行く目的、それは、
八上比売(ヤガミヒメ)という、高貴で美しいと評判のお姫様、に求婚するためでした。
そのために、出雲の国(島根県)から、因幡国(鳥取県)に旅立ち、
オオクニヌシが、それに同行していたというわけですね。

ヤサイ
ヤサイ
イメージとしては、かぐや姫に求婚しにいく多くの男達という印象でしょうか

八十神達とオオクニニシは、大勢で八上比売(ヤガミヒメ)に求婚に向かいます。

因幡の白兎

八十神達が求婚に向かって、因幡の国へ行く途中の岬で、
毛をむしられて、赤い肌が剥き出しになった、兎に出会いました。

ヤサイ
ヤサイ
出雲大社の境内では、ホントにたくさんのウサギの像に出会うことができます
ヤサイ
ヤサイ
このウサギは出雲大社のいたるところに配されていて、そのポーズや表情の可愛さに、思わず微笑んでしまいます

探してみたら、楽しいですよ。

話を戻しまして、
そんな重傷を負ったウサギを見つけた八十神達は、

八十神
八十神
海塩を浴びて、山の頂で、強い風と日光にあたって、横になっていると良くなるぜ

とアドバイスします。
当然、大怪我を負っているわけですから、
そんなことをしたら、さらに症状は悪化します。

ウサギ
ウサギ
痛いよぉ、痛いよぉ

と泣き伏しているところに、オオクニヌシが通りかかります。

事情を尋ねると、

ウサギ
ウサギ
実は、、、

とウサギは語りはじめます。
ウサギは隠岐の島の出身で、
因幡の国に渡ろうと思ったが、その手段がありませんでした。
そこで、一計を案じ、
サメに、

ウサギ
ウサギ
ウサギとサメと、どちらが一族の数が多いか数えませんか?

と提案します。
そして、隠岐の島から、岬まで、サメを海に並べることができました。
ウサギは、そのサメの上を、頭数を数えながら走り、海を渡ることに成功しました。
しかし、その渡り終えようとしたその瞬間、
ウサギがサメに、。

ウサギ
ウサギ
君たちは海を渡る橋になってもらうために、俺に騙されたのさ

と言ってしまいます。
すると、怒ったサメが、ウサギを捕らえ、その皮を剥いでしまいました。
そして、その治療法を、八十神達に騙され、症状を悪化させたところに、
オオクニヌシと出会ったというわけです。

オオクニヌシ
オオクニヌシ
かわいそうに、、

ウサギを憐れに思ったオオクニヌシは、正しい治療法を教えます。
この治療法が適切であったことから、

ヤサイ
ヤサイ
オオニヌシは、医療や薬学を司る神様でもあるわけなんですね

正しい治療を行ったウサギは、みるみる体が回復しました。
それに感謝したウサギは、オオクニヌシに予言を残します。

ウサギ
ウサギ
八十神達は、八上比売(ヤガミヒメ)と結婚できません。彼女と結婚するのは、あなたです!

この予言は的中することになります。
ウサギは神通力のもったウサギだったのです。

ヤサイ
ヤサイ
これが、因幡の白兎の物語ですね

八十神達の復讐・パート1

予言通り、八上比売(ヤガミヒメ)は結婚相手にオオクニヌシを選び、結婚するこになりました。

ヤサイ
ヤサイ
オオクニヌシ、最初の結婚です

そして、それを面白く思わないのが、兄弟にして恋敵、そう、

ヤサイ
ヤサイ
八十神です

八十神達は結託し、オオクニヌシの殺害を計画します。
鳥取県の西部の手間の山を訪れて、

八十神
八十神
この山にさぁ、赤い猪がいるから、捕まえようぜ。俺達が下に追いやるから、オオクニヌシは待ち伏せして、捕まえろ。失敗したら、許さねぇぞ
オオクニヌシ
オオクニヌシ
わかりました

もちろん、赤い猪というのは、八十神達の嘘です。
山の上から、猪に似せた大石を火で焼いて、山の上から、オオクニヌシに向けて転がします。

八十神
八十神
死ね、オオクニヌシ!

山の上から、赤く燃えた大きな石が転がってきたのを発見したオオクニヌシは、

オオクニヌシ
オオクニヌシ
赤い猪が来たから、捕まえなきゃ

赤く焼けた大石を、赤い猪と勘違いしたオオクニヌシは、勇敢に立ち向かっていき、
その結果、



赤く焼けた大石に押し潰されて、死んでしまいました。



終。

オオクニヌシの復活・パート1

オオクニヌシが亡くなったことを知った母は、深く嘆き悲しみます。
そして、なんとかオオクニヌシを生き返らせてもらおうと、
天界の神産巣日之命(カムムスヒノミコト)という、
偉い神様に願います。
すると、神産巣日之命(カムムスヒノミコト)は願いを聞き、
2柱の貝の女神を派遣し、オオクニヌシを治療、蘇生させました。

ヤサイ
ヤサイ
こうして、オオクニヌシは無事、生き返ることができました

良かったね。
しかも、
なんと、

ヤサイ
ヤサイ
イケメンになって復活したそうです

こんな感じです↓

ヤサイ
ヤサイ
画像は、出雲大社内にあるムスビの御神像のオオクニヌシです

確かに、ルックスが凜々しく変化していますね。

八十神達の復讐・パート2

復活したオオクニヌシを見つけた八十神達は、面白くありません。

八十神
八十神
あの野郎!なんで死んでねぇんだ

再び、八十神達は作戦を考えます。

ヤサイ
ヤサイ
まず、もとがIの字の形をした大木を、無理矢理、Yの字の形に裂いた大木を想像してください

その、Yの字に形をした大木は、Yの分かれ目のところで、クサビを打っています。
つまり、この大木は、クサビを取ってしまうと、Iの字に勢いよく戻ります。
想像できましたでしょうか?

ヤサイ
ヤサイ
八十神達の作戦は、このYの字の上の部分に、オオクニヌシを誘い込み、クサビを取り、大木をIにして、オオクニヌシを、はさみ殺そうという作戦です
八十神
八十神
おーい、オオクニヌシぃ

と作戦を立てた八十神達は、木の股にオオクヌヌシを誘い込みます。

オオクニヌシ
オオクニヌシ
なんでしょうか?

なにも知らない純粋なオオクヌヌシは、素直に木の股に腰掛けます。
そして、木を分けていた、クサビを引き抜かれ、
Yの字に形をした大木は、
Iの字に勢いよく戻り、
オオクニヌシは、はさみ殺されてしまいました。



終。

オオクニヌシの復活・パート2

姿の見えなくなったオオクニヌシを探し回っていた母は、
なんとかオオクニヌシを探しあてます。
そして、木の股からオオクニヌシを助け出し、母の愛によって、蘇生させます。

ヤサイ
ヤサイ
どういう力でオオクニヌシが復活したのかは、古事記には詳しい記述はありません

再度、天界の神産巣日之命(カムムスヒノミコト)が、力を貸してくれたのかもしれません。
こうして、なんとかオオクニヌシは再び、復活することができました。
しかし、このままでは、間違いなく、八十神達に滅ぼされてしまいます。

黄泉の国へ

母のアドバイスもあり、オオクニヌシは、
木の国(和歌山県)の大屋毘古神(オオヤビコ)という木の神様を訪ねます。
しかし、そこまで逃れても、

八十神
八十神
待てぇ、オオクニヌシぃ

と、ここまで八十神達が追ってきます。

そこで、匿ってくれていた、大屋毘古神(オオヤビコ)は、

オオヤビコ
オオヤビコ
須佐之男命(スサノオノミコト)のいる、根の堅州国(ねのかたすくに)に行きなさい。あの神なら、きっと力になってくれるだろう

と助言をもらいます。

ヤサイ
ヤサイ
スサノオのいる、根の堅州国どこなのか、明確にはわかりませんが、黄泉の国のような地下世界を想像していただけば良いのではないかと思います

須勢理毘売(スセリビメ)

こうして、オオクニヌシはスサノオのもとを訪れます。
そこで、スサノオの娘、須勢理毘売(スセリビメ)と出会います。

スセリビメ
スセリビメ
ようこそ、いらしゃいました(素敵な人)
オオクニヌシ
オオクニヌシ
お世話になります(素敵な人だ)

目が合った若い二人は、一瞬で惹かれあい、そして、。

ヤサイ
ヤサイ
すぐに結婚しました

オオクニヌシ、2回目の結婚ですね。
後の話ですが、ヤガミヒメは、子供を残して実家に帰ってしまいます。
それはともかく、こうしてオオクニヌシは黄泉の国で、幸せに暮らしましたとさ。


と、そうはならないのが、オオクニヌシ伝説です。

スサノオの試練

オオクニヌシを紹介されたスサノオは、

スサノオ
スサノオ
よく来たね

とオオクニヌシを迎えます。
可愛い娘を取られたスサノオは、どういった心境なのでしょうか?

ヤサイ
ヤサイ
単純に嫉妬するというのは、暴れん坊のスサノオらしくないような気はしますが、温かく見守るほど甘くないようにも思います

スサノオの試練①

スサノオ
スサノオ
今日は、この部屋に泊まっていってね

と通されたのは、が敷き詰められた部屋でした。

ヤサイ
ヤサイ
蛇だらけの部屋ってすごいですね
オオクニヌシ
オオクニヌシ
うわぁ、こんな蛇だらけの部屋じゃ泊まれないよ

とオオクニヌシが困っていると、

スセリビメ
スセリビメ
あなた、これを使えば大丈夫よ

スセリビメは比礼(ヒレ)という、スカーフのような布を授けました。
これを振ると、蛇は静かになりました。
こうして、オオクニヌシは静かに眠ることができました。

スサノオの試練②

オオクニヌシ
オオクニヌシ
スサノオさん、おはようございます
スサノオ
スサノオ
ああ、おはよう。あれ、元気だね?

試練を与えたはずなのに、オオクニニシはいたって元気です。

スサノオ
スサノオ
今度は、違う部屋に泊まってね

と通されたのは、ムカデと蜂の部屋でした。

オオクニヌシ
オオクニヌシ
うわぁ、今度はムカデと蜂か、これはこれでキツイな

とオオクニヌシがげんなりしていると、

スセリビメ
スセリビメ
あなた、これを使えば大丈夫よ

再び、スセリビメが今度はムカデと蜂を祓う、
比礼(ヒレ)という、スカーフのような布を授けました。
これで、オオクニヌシは静かに眠ることができました。

スサノオの試練③

オオクニヌシ
オオクニヌシ
スサノオさん、おはようございます
スサノオ
スサノオ
ああ、おはよう。あれ、元気だね?

試練を与えたはずなのに、オオクニニシはいたって元気です。

スサノオ
スサノオ
今日はちょっと外にでようか?

スサノオに同行し、オオクニヌシは野原に向かいます。

スサノオ
スサノオ
俺がさ、野原に矢を放つからさ、それを取ってきて欲しいんだ
オオクニヌシ
オオクニヌシ
あ、はい、わかりました

スサノオは宣言通り、野原に音のなる鏑矢を放ちます。

そして、オオクニヌシは、素直に放たれた矢を探して、野原に入ります。
すると、それを確認したスサノオは、

スサノオ
スサノオ
オオクニヌシが野原に入ったから、火をつけちゃおうっと

野原に火矢を放ちました。
すると、一気に野原に火が広がり、炎がオオクニヌシを囲みました。

オオクニヌシ
オオクニヌシ
うわぁ、これはさすがにやばい。死んでしまう!

逃れようにも、四方八方、野原の草が燃え上がり、オオクニヌシの周囲を囲んでいます。

ヤサイ
ヤサイ
オオクニヌシ、絶対絶命のピンチです

客観的に見て(見なくても)
殺人事件のように思えるのですが、
これは試練なのです!(多分)

と言っている間にも、炎は確実にオオクニヌシにせまり、呼吸も苦しくなってきました。
すると、そのとき、オオクニヌシの足下から、
小さな鳴き声のようなものが聞こえます。

ネズミ
ネズミ
チューチュー、なんだか地上は熱いですねー

そこには、なんとも可愛らしい、一匹のネズミが現れました。
そして、こう言いました。

ヤサイ
ヤサイ
内はホラホラ、外はスブスブ
オオクニヌシ
オオクニヌシ
え、なに?あ!もう火がこんなところまで。もうだめだ!

と、オオクニヌシが死を覚悟したそのとき、

ネズミ
ネズミ
あのね、この地下が空洞になっているので、地面を強く踏んでくださいな
オオクニヌシ
オオクニヌシ
えーい、だめもとだ!わかったよ!

ネズミの言うとおり、オオクニヌシが地面を踏みしめると、
地面に穴が空き、土の中に逃れることができました。

ヤサイ
ヤサイ
地面の中は、ネズミの巣だったんですね

こうして、オオクニヌシは九死に一生を得ることができました。
巣の中で、ネズミの子供が、オオクニヌシになにか持ってきます。

ネズミ子供
ネズミ子供
これって、オオクニヌシさんが探していたものじゃないですか?

ネズミの子供が少し羽をかじっておりましたが、それはスサノオが放ち、持ってくるように命じた鏑矢でした。

オオクニヌシ
オオクニヌシ
な、なんとかこれで試練クリアだ、ネズミ達、ホントにありがとう

オオクニヌシの人徳のなせる技でしょうか。
ミッションコンプリートです。
オオクニヌシは、火が消えるのを、ネズミの巣の中で待っておりましたさ。

スサノオの試練④

一方、その頃、スサノオの家では、、、。

スセリビメ
スセリビメ
結婚して間もないのに、もう未亡人になってしまったわ

オオクニヌシが死んだと思っている新妻、須勢理毘売(スセリビメ)は、泣きながら、葬式の準備をしておりました。

スサノオ
スサノオ
まさか死んじゃうとは、悪いことしたなぁ

さすがにやり過ぎてしまったと反省しているのか、スサノオも葬式の準備を手伝います。
そして、オオクニヌシの死体を確保しようと野原にでかけたところ、

オオクニヌシ
オオクニヌシ
あ、どうも。もう火はおさまったみたいですね
スセリビメ
スセリビメ
オオクニヌシ!生きていたのね!
スサノオ
スサノオ
あれ!やるじゃないの

オオクニヌシが焼け死んでいたと思っていた親子は、驚きを隠せません。

オオクニヌシ
オオクニヌシ
スサノオさん、これ、取ってくるように言われてた矢です、どうぞ
スサノオ
スサノオ
あ、ありがとう。元気そうだね

焼き殺そうとしていた相手が、恨み節を言うでもなく、
言いつけを守っている姿に、さすがのスサノオもバツが悪かったのかもしれません。
しかしそれでも、

スサノオ
スサノオ
大事に育てた娘と結婚しようとする奴は、やっぱ許せないんだよねぇ

結婚を認めようとはしませんでした。

スサノオ
スサノオ
オオクニヌシ、ちょっと家の広間まで来てくれるかな?
オオクニヌシ
オオクニヌシ
あ、はい、わかりました

今度は、自宅の大広間にオオクニヌシを招き入れます。
そして、

スサノオ
スサノオ
どうも頭がかゆくって仕方ないんだよね、シラミがいるから取って欲しいんだよ
オオクニヌシ
オオクニヌシ
あ、はい、わかりました

オオクニヌシが寝転んだスサノオの頭をのぞき込むと、

オオクニヌシ
オオクニヌシ
うわっ!これはシラミなんて可愛いものじゃないぞ!

スサノオの頭には、シラミではなく、ムカデがうようよと、うごめいていたのです。

スセリビメ
スセリビメ
オオクニヌシ!これを持っていって

須勢理毘売(スセリビメ)が、スサノオにばれないように、
椋の実と、赤土を渡してくれました。

オオクニヌシ
オオクニヌシ
頭にムカデを飼っているなんて、、。はてさてどうしたものか、

悩むオオクニヌシでしたが、ある考えが頭に浮かびます。
貰った椋の実を口に含み、赤土と一緒に吐き出しました。
すると、スサノオは、

スサノオ
スサノオ
俺の頭のムカデをかみ殺してくれているのか、可愛い奴だな

ムカデを退治していると勘違いしたスサノオは、オオクニヌシを気に入ってしまい、安心して眠ってしまいました。

スサノオの試練⑤

スサノオの寝顔を確認したオオクニヌシは、

オオクニヌシ
オオクニヌシ
よし!チャンスだ!

と、根の堅州国(ねのかたすくに)から脱出することを決意します。

ヤサイ
ヤサイ
思いおこすと、オオクニヌシが自らの意思で、なにかを決意したこはことは、これが始めてだったかもしれません

数々の試練は、オオクニヌシに成長をもたらしていたのでしょう。

オオクニヌシ
オオクニヌシ
このままココにいては殺されてしまう

という思いも当然あったとは思いますが、、、。
オオクニヌシは安心して熟睡しているスサノオの髪を、
広間の柱に結んで動けなくします。
そして、広間の入り口には、大岩を置いて戸を塞ぎました。

オオクニヌシ
オオクニヌシ
よし、これで安心だ

心を落ち着けたオオクニヌシは、脱出した後のことを考えます。

オオクニヌシ
オオクニヌシ
このままココをでても、兄達である八十神に追われることになってしまう

スサノオに一矢報いたオオクニヌシは、その成長を一気に加速させます。
スサノオの宝である、生大刀・生弓矢・天の詔琴を盗み、八十神に備えます。
そして、

オオクニヌシ
オオクニヌシ
須勢理毘売(スセリビメ)、一緒に逃げてくれないか?
スセリビメ
スセリビメ
喜んで!

こうして、オオクニヌシは、須勢理毘売(スセリビメ)とともに、スサノオのもとを旅立つのでした。

スサノオの試練⑥

スサノオのもとを脱出したオオクニヌシ夫婦でしたが、
そのとき盗んだ天の詔琴が、木の枝に引っかかってしまいました。

オオクニヌシ
オオクニヌシ
しまった!

枝に触れた琴は、まるで大地が揺れるような大きな音を奏でました。
その大音量に、

スサノオ
スサノオ
ん?なんだ?

熟睡していたスサノオが目を覚ましました。
起き上がろうとしますが、
髪を柱に結ばれて、立ち上がることができません。
なんとか、髪を柱から引き剥がし、部屋をでようとしますが、
今度は、扉を塞がれて、外にでることができません。

スサノオ
スサノオ
おーい、スセリビメぇ

と娘を呼んで手伝ってもらおうとしますが、その気配がありません。
目が覚めてきたスサノオは、だんだんと状況を理解してきました。

おのれ!オオクニヌシ!やってくれたなぁ!

と、娘と宝を盗まれたスサノオは、とても怒りましたが、脱出に手間取っている間に、
オオクニヌシ達はすでに遠くに逃れていたのでした。

スサノオの試練⑦

なんとか自力で部屋を脱出したスサノオは、
凄まじい勢いで駆け出します。
そして、あっという間に、地上との境である黄泉比良坂(よもつひらさか)まで追ってきました。

オオクニヌシ
オオクニヌシ
うわっ!スサノオさん、もうこんなところまで追ってきたのか

当初、かなり距離を離していたはずなのに、視界に入るところまで迫ってきていたのです。

スセリビメ
スセリビメ
オオクニヌシ、あと少しよ。急いで!

地上世界まで、もうすぐです。
どういうわけか、スサノオは、根の堅州国(ねのかたすくに)から出ることはありませんでした。
追いつけないと悟ったスサノオは叫びます!

スサノオ
スサノオ
オオクニヌシぃ、もういい、聞け!

その鬼気迫る声色に、オオクニヌシ達は、思わず足を止めました。

スサノオ
スサノオ
いいか、オオクニヌシ!お前が持ってる生大刀・生弓矢を使って、お前の兄達の八十神をやっつけろ。今のお前ならできる

スサノオの口調は怒っているようで、真剣な助言を与える声に変わっていました。

スサノオ
スサノオ
それで、娘の須勢理毘売(スセリヒメ)を正妻にして、国を治めろ、お前が王になれ!
オオクニヌシ
オオクニヌシ
スサノオさん

スサノオの言葉は、偉大な大神であるスサノオが、

ヤサイ
ヤサイ
地上はオオクニヌシが治めるように!

というお墨付きを与えたものでした。

ヤサイ
ヤサイ
つまりこのとき、オオクニヌシが、スサノオの正当後継者となったわけなんですね

例えるなら、会社の大株主にして創業者が、後継者を指名して、株を与えたようなものでしょうか。

そして最後に、2つアドバイスします。

スサノオ
スサノオ
今からお前は、偉大な国を治める王(という意味の)大国主(オオクニヌシ)となれ。そして山のふもとに太い柱の大社を建てろ、この野郎!

こうして、大国主はスサノオから名前を貰い、
出雲にて大社を建てる使命を受けたのでした。

現代にかえって

さて、オオクニヌシ伝説、いかがでしたでしょうか?
スサノオが建てるように命じた、大社は、

ヤサイ
ヤサイ
今では、こうして我々、現代人の信仰の場となっております
ヤサイ
ヤサイ
出雲大社のオオクニヌシが祭られた本殿の正面、八足門からも参拝します

そして、厳重に守られた本殿を回廊に沿って歩き、その裏に到着します。

ヤサイ
ヤサイ
出雲大社の1番の奥には、木に囲まれ、陽も穏やかな社が、なにかを守るように静かに建てられていました

その名は、素鵞社(そがのやしろ)

ヤサイ
ヤサイ
御祭神は、素戔嗚尊(スサノオノミコト)です

本殿の裏から、そっとオオクニヌシを見守っている気がしてなりません。

出雲大社の密かなパワースポットなんですよ。

おまけ

こうして、なにやら微妙にまとまって見える?記事ですが、
ホントのところ、

ヤサイ
ヤサイ
全く終わっておりません!

大国主伝説は、まだ半分といったところでしょうか。
ささっと省略して、書いてしまう計画だったのですが、
実力不足か、なかなか思うようにはいきませんでした。

このようなことで神頼みするのも申し訳ないですが、
素鵞社(そがのやしろ)から見える景色とともに、
大国主命にお願いしておきたいと思います。
本殿の裏にいる、うさぎと一緒にお祈りしておきますね。

私がまた後編を書く日が、

ヤサイ
ヤサイ
来うへん

となりませんように、、。

※来うへん‥‥こうへん、こないの関西弁。
続きを書くことの決意の表れ、。


ヤサイ
ヤサイ
やっと後編が書けました、ぜひ見てね
出雲大社から、大国主の国作り伝説を体感する(後編)はじめに 先日、以前から訪れたかった出雲大社に、参拝することができました。 そして、御祭神である大国主が出雲から逃れて、 スサノオ...

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